大正13年9月5日
9月5日(金曜日)、午前7時50分出勤。
本日、腸チフス患者2名を隔離舎ヘ入院させた。
本日その筋から、「電車停留所について、東海道沿線は電化のみで省線は設置しないので、大磯町長ほか143名願出の件は、不許可」の通知があった。
午後4時20分に退庁した。
解説
今日は、残念な記事ばかりになっています。 まずは、腸チフス患者の発生が続いていることです。衛生面の悪化が懸念されます。
次に書かれた「その筋」とは、「鉄道省」のことで、願い出た件は、「不許可」だという通知が来ました。事の発端は、大正12(1923)年2月に法学博士の蜷川新(にながわあらた)氏が、町会議員を通じ、西小磯地区に新たな停留所の開設を希望する願書の下書きを提出したことです。大磯町では、この件を町会で協議した結果、西小磯地区ばかりではなく、高麗地区にも欲しいということになり、5月28日、藤田町長が東京へ出張し、願書を提出しました。今回の通知は、その回答です。なお、「省線」という言葉は、「省線電車」の略称で、当時政府(鉄道省)が管轄していた鉄道と、私鉄とを区別するために使われていた呼び名です。
更新日:2024年08月05日