大正12年3月9日

更新日:2023年03月09日

3月9日(金曜日)、午前8時30分出勤。

戸籍謄抄本事務に従事。

渡辺書記は二宮へ行くため午後から早退した。

午後1時から、第2日目の町会を開会。 第二次会から逐条を審議し、調査委員の調査報告通り、満場異議無く可決した。その他、西小磯停車場・高麗停車場を新設する件は、満場異議無く通過した。午後6時閉会。

松月亭において夕食をとり、午後8時から区長一同を召集。藤田町長から、警察署長の新旧送迎会の件、大磯電燈値下げの件、小学校増築の件、西小磯・高麗両地区に電車停留所を新設する件が出され、協議した。一同異議無く終了した。

午後9時頃散会、帰宅。

解説

前日から続く予算・その他の諸問題についての会議は、何とか無事終了したようです。小見助役も安堵したことでしょう。 ただ、議題の中で気になるのは、西小磯と高麗地区に、電車停留所を新設するという件です。 この件については、2月25日に西小磯在住の法学者・蜷川新(にながわ・あらた)から、西小磯に設置を要望する願書が出されることが判り、さらに高麗地区にも停留所が欲しいということになったようです。

当時の鉄道は蒸気機関車が牽引する列車がまだ主流のはずですが、ここには「電車」と書かれています。実は、東海道線の電化は大正3年(1914年)、新たにできた東京駅と高島町駅の間で始められ、全国でも、都市部では鉄道電化の計画が進められていました。しかし東海道線の完全電化計画は、この後、関東大震災や第二次世界大戦のため遅れてしまい、現在見られるような「電車」が走るようになったのは戦後になってからです。 実現はしませんでしたが、大磯町はこの頃、電化を見越した新駅設置計画を立てていたらしいということが、この記述から見えてきます。

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