大正13年9月1日
9月1日(月曜日)、午前7時50分出勤。
本日は戸籍抄本事務に従事した。
午前10時から地福寺に当町各宗寺院が集まり、昨秋の9月1日大震災横死者大法要を営み、町長と共に参列した。各宗寺院総代として地福寺住職の弔詞、神奈川県慈徳会総代として湯口快勇師の弔詞、並びに藤田大磯町長及び小学校長の霜島新七氏の弔詞があった。各横死者遺族並びに町会議員・各区長・その他有志者の焼香もあった。午前10時半頃に供養式が終了した。遺族へ御供物と塔婆が各寺院から贈られた。町会議員は町役場ヘ引上げ、松月から7名分の昼食を注文した。
午後1時より、小学校において大震災の大講演会あった。講師は、蜷川法学博士と村上講師で盛会であった。午後5時頃に終了した。終了後、町会議員の中川嘉一郎氏から買い受けた小学校敷地を視察の上、各自散会した。町長と共に役場ヘ引上げ、すぐに帰宅した。
解説
今日で、関東大震災の発生からちょうど1年が経ち、町内の各寺院が宗派を超えて地福寺に集まり、大法要が営まれました。この法要について、先月から総代の地福寺住職が町長と面談し、町内各寺院の住職らが協議を重ねたことが、日誌からわかります。弔辞を述べる参列者の都合も合わせて調整したのかもしれません。なお、「横死者」(おうししゃ)とは、不慮の事故や災害で亡くなった人を表す言葉です。
また、午後からは講演会が開かれています。具体的な内容は不明ですが、講師の一人は、当時西小磯に別荘を所有していた法学博士の蜷川新(にながわあらた)氏です。こちらも、事前に依頼して準備をしたようです。
更新日:2024年08月04日