大正13年8月27日
8月27日(水曜日)、午前9時出勤。
出勤途中、蜷川博士の自宅を訪問し、事前に蜷川博士から届いていた手紙の内容について話をしてきたため出勤が遅くなった。未成年者の印鑑証明について意見を交わした。出勤して早速、町長に相談したところ、未成年者の印鑑証明を発行することは不可能で、親権者が代理となって登記その他のことができるはずであるとの返答があった。すぐにこの件について蜷川博士宛に親展書を送った。
午後1時から各区長を役場へ召集し、昨年9月1日の大震災の際に当町において非命の死を遂げた方々の霊を回向する件について、協議会を開き種々協議の末、地福寺において執行する事になった。午後4時過ぎに散会した。会用に茶菓が用意された。
午後5時に退庁した。
解説
町が執り行う「大震災1周忌法要」は地福寺で行うことになりました。助役日誌には「霊を回向する」と書かれていますが、仏教用語では「霊を供養する」と同じ意味ではないようです。亡くなった方の冥福を祈るだけではなく、生きとし生けるものすべての幸せを祈ることという意味があるそうです。生あることの意味を感じ、生き残った者にとっても節目となる法要です。
更新日:2024年07月17日