大正11年8月10日
8月10日(木曜日)、午前7時30分出勤。
午前8時26分大磯駅発の列車で、李王世子垠殿下と妃殿下がご帰京されるので、停車場で奉送した。
倉橋兵次郎氏が来場し、有村氏に対する道路侵害復旧工事が完成したと報告した。すぐに藤田町長は長島書記と共に現場ヘ出張され、工事が不成功であると自ら主張された。
午後3時10分退庁。
解説
一昨日10日から滞在していた李王世子夫妻(李垠・方子)が、東京に戻りました。
倉橋兵次郎(旅館長生館の経営者)と有村国太郎(実業家)は、倉橋が行った埋立て地の事で4月から対立していました(4月12日)。この件は、対応を町長に一任されましたので(4月27日)、倉橋は弁護士を雇い町長と度々面談しています。しかし、町会議員等(土木委員)が会議を開いたり(5月22日)、県土木派出所の所長が直接町長と面談するなどしてもなかなか決着がつきません(5月26日)。
この日、倉橋から、問題解決のための復旧工事が完了したとの連絡が入ったので、町長自ら現場ヘ確認に出向いたようですが、どうも町長は納得しなかったようです。この件は、まだまだ続いていきます。
更新日:2022年08月10日