大正13年11月29日
記事の内容に誤りがありましたので訂正しました。
11月29日(土曜日)、午前9時20分出勤。
出勤する前に、大磯銀行の件につき、訪問者があったので遅刻した。
午後1時から、町会議員一同を役場へ召集、大磯銀行の件について郷土久蔵氏より説明があった。駿河銀行が大磯銀行を買収し、駿河銀行出張所として大磯支店を開店するという内容だった。
町会議員から出された意見としては、この件について議員が召集されることは不適切なので、有志会として大磯銀行へ任せるとの結果になった。併せて協議された旭村へ通じる道路については、正式に旭村役場へ申し込むこととし、県技手により旭村へ通ずる道の再調査をする予定とした。
午後3時頃、藤田町長と共に退庁した。
解説
銀行業界では、第1次世界大戦後の大正8(1919)年に株価の暴落があり、多くの銀行が経営不振となり、合併や破綻が起きました。さらに、関東大震災も大きな打撃となりました。大磯銀行は、その後の立て直しが困難となり、ついに、大正12(1923)年12月3日に休業します。
昨日、沼津に出かけた郷土氏が急ぎ知らせたかったことは、この銀行のことで、駿河銀行と11月28日に契約を結び、駿河銀行大磯支店となる情報でした。最終的に大正15年(1926)7月15日に駿河銀行への買収が成立しました。
参考
鈴木昇『大磯の今昔』九、p105~p107
更新日:2024年10月24日