大正10年5月6日
5月6日(金曜日)、午前7時30分出勤。
佐藤書記が中郡役所へ出張し、荷車に検印した。
小台網の件について、西小磯地区の区長・総代・漁業者と一緒に、大橋宇左衛門氏が椎野郁氏の代理人として、小台網の売買金2,000円を渡した。町長と池田郡書記が立ち合った。
渡辺書記が午後から退庁。戸籍事務を取り扱った。
栢木書記も早退。
午後4時10分退庁。
解説
前年(大正9年)暮れに端を発し長引いていた、西小磯と国府津の漁業者椎野郁との間の漁業権問題は、この日やっと決着を見ました。
日誌の文章ではわかりづらくなっていますが、椎野が漁業権の期間更新を県から認められ(2月23日)、西小磯から漁業権を買い取る契約が成立し(5月4日)、登録済証も交付されたので、椎野から委任された代理人の大橋宇左衛門が、売買代金2,000円を西小磯側に渡したようです。町長と郡書記が立ち会ったのは、その受け渡しを見届けるためだったのでしょう。大橋は、漁業権の更新許可証も、椎野に代わって受け取っています。
また今日は、中郡役所で荷車の検印が行われています。これは、明治8年(1875年)に荷車の使用が許可制になり、大きさも決められていたことに基づくものと思われます。
更新日:2021年05月06日