大正10年5月4日
5月4日(水曜日)、午前7時35分出勤。
本日、県税完納。
日本赤十字社と愛国婦人会の切符を発布した。赤十字社は、第2期分。
午前11時頃、西小磯小台網の漁業者椎野郁氏から、大字西小磯地区へ2,000円払うということで売買契約が成立。漁業権の登録済証を交付し、池田郡書記の手から売買金を取り交わす予定だったが、西小磯区長の添田平左衛門・柳田勇次郎両氏の都合で明日に延期となった。
午後4時10分退庁。
解説
2日から続けられていた督促作業で、今日無事県税を完納することができました。当時は、町役場が徴収を請け負っていたので、完納することができて小見助役も安堵したことでしょう。
日本赤十字社と愛国婦人会の「切符」とは、会費を納めるための通知のことと思われます。どちらも慈善団体ですが、当時の会員は主に富裕層の名士やその配偶者で、会員になる事は名誉でもありました。
西小磯地区が所有していた小台網の漁業権が、2,000円で売却されることが決まりました。買い手は国府津在住の漁業者、椎野郁です。椎野は以前から、この小台網を借りて漁をし、今回はその使用期間を更新する契約です。しかしこの件は、昨年暮れに話が出たものの、なかなか進みませんでした。今日もまた西小磯側の都合で延期になりましたが、それでもやっと決着のめどがついてきたようです。
更新日:2021年05月04日