大正15年8月9日
8月9日(月曜日)、午前7時30分出勤。
本日、渡辺書記は馬匹徴収の件で、警察署に出張した。
昨日、南下町区長他4~5名が、森町長の自宅を訪問した。大磯町水払底のため、町として何とか救助の方法を講じられたいと願い出た。森町長は出勤早々、中西巡視に命じ、関係町内の実地調査に出張させた。
午後0時30分に退庁した。
解説
「馬匹徴収」(徴発)とは、主に陸軍が有事の際に、軍馬の徴用を行うことを言います。徴用を速やかに行うため、大正10(1921)年には「馬籍法」が公布・施行されました。これにより、すべての飼育馬の登録が義務化され、軍の検査により軍用適格馬となった馬は、強制的に買い上げられることになりました。この件については、7月26日に警察から兵事担当書記に対する説明がされています。また、馬を改良して優秀な軍馬を育成するための資金源として、大正12(1923)年に競馬法が制定され、馬券の発売(公営競馬)が認められました。平塚に競馬場が生まれたのも同様の経緯からでしょう。
また、「払底」(ふってい)とは、ほとんどないという意味です。7日の日誌にも書かれているように、当時の大磯は、深刻な水不足になっていました。主な原因は、関東大震災による地盤の変化と言われていますが、日照りが続くと町内の特に下町の井戸が枯れたと言われています。海水浴場の客も、宿泊できずに日帰りが多くなり、町の経済には大きな打撃になりました。すでに町長が調査を始めているようですが、改めて区長らが直接救助を求めに来ました。























更新日:2026年07月09日