大正14年6月1日
6月1日(月曜日)、午前7時50分出勤。
午前10時頃、宮代町長は山王町へ出かけたため、職印を預かった。午後2時頃、町長が帰場したので、すぐに職印を返した。
午後0時30分、月貫道路の件について真壁氏並びに安部川彦造氏を訪問した。安部川氏が不在だったため、明日午前中に境界線並びに道路敷の拡幅をすることにした。(間口1尺5寸・三角形の奥行9間)
本日は、山陰道震災見舞金の166円並びに慰問使の費用として、打切5円を中郡役所へ送金した。
午後4時に退庁した。
解説
6月になりました。先月から続いている「月貫道路拡幅工事」の件について、いよいよ具体的に動くようです。工事の間口及び奥行きは、それぞれ約45cm・約16.4mです。「月貫道路」は、現在の消防署脇から海岸方面へ降りていく路地ですが、当時は駅から海水浴場へ行く近道として、多くの海水浴客が利用する主要な道でした。海水浴場が開かれる7月までに、道幅を広げて通りやすくしたかったのでしょうか。
また、5月23日に発生した北但馬地震への義援金は、発生5日後の28日に、郡役所から「1戸あたり10銭で、個人は随意」と通知があり、166円集まりました。今日は、それを郡役所へ送金したようです。「打切」(うちきり)という言葉ですが、現在はあまり馴染みがありません。上限を意味し、お金を届ける慰問使の交通費補助金額に、上限を設けたものと思われます。
更新日:2025年05月13日