大正14年10月10日
10月10日(土曜日)、午前7時35分出勤。
本日は、勧業主任並びに梅田雇・西小磯区長・山王町区長等が大船農事試験場に出張した。
午後1時から、土木委員を召集した。水道敷設の件や三重県上水道の視察の件、西小磯より旭村に通じる道路、高麗より旭村に通じる道路、消防組頭辞職届出にあたり後任者選定の件、その他数件の協議を行った。近いうちに、本議会を開くことにした。明日11日、宮代町長・中西町議並びに山中技師の3名が、三重県鳥羽町既設水道の視察に出発する予定なので、午後6時過ぎに散会し、すぐに退庁した。
解説
勧業主任らが出かけて行った「大船農事試験場」は、当時園芸植物の研究が盛んに行われ、「シャクヤク」や「ハナショウブ」の品種改良が有名でした。改良されたものは「大船系」と呼ばれています。昭和37(1962)年にその跡地に「神奈川県立フラワーセンター大船植物園」が開設され、現在は「大船フラワーセンター」の愛称が付けられています。
また、土木委員を集めた会議の議題として、西小磯並びに高麗から旭村への道路の件が出ています。難航した旭村や耕地整理組合との交渉は解決したようですので、今後は開通に向けて工事を進めるのでしょう。
さらに、水道の敷設工事について、町長らが視察に出かけるのは、当時先進的な上水道の普及に成功していた三重県鳥羽町です。この件については、8月6日に、小見助役が鳥羽町長宛に視察の依頼状を出しています。詳しく書かれてはいませんが、承諾の返信があり、明日出張することになったと思われます。























更新日:2025年09月04日