大正13年4月14日
4月14日(月曜日)、午前8時40分出勤。
藤田町長の出勤早々に、伊藤公未亡人お見舞いの状況を報告した。
午後12時22分、皇后陛下が大磯駅をご通過され、沼津へ行啓された。町長と共に奉送した。
午後3時頃、藤田町長は中川隣之輔氏を訪問するため、出かけられた。
本日、古河・徳川・樺山・太田の各別荘宅へ、小学校児童の仮校舎借用について、礼状を出した。
午後7時より小学校において衆議院並びに県会議員総選挙に関する選挙人の注意事項について、町長・警察署長主催の講演があった。松月の弁当2つ、その他、茶菓子あり。聴衆約400人と盛況であった。午後10時30分散会し、帰宅した。
解説
皇后が大磯駅を通過していますが、沼津の御用邸に静養中の天皇をお見舞いするため、行啓したものと思われます。皇族が大磯駅を通過するたびに、当時は、町の幹部が、駅や公道に出て奉送迎を行いました。
沼津御用邸は、大正天皇の静養のために1893年(明治26)に作られ、1969年(昭和44)に廃止されました。現在は、沼津御用邸記念公園になっています。
中川隣之輔は、当時、衆議院議員を務めていました。明治40年代に第8代大磯町長や県会議員も務めています。
4月10日から、関東大震災後に、被災した小学校校舎の代わりに教室を提供した人々へ、お礼訪問が行われていますが、この日は、古河・徳川・樺山・太田の各別荘に対して礼状が出されています。
参考
「大正天皇実録」
更新日:2024年04月14日