大正13年3月28日
3月28日(金曜日)、午前8時30分出勤。
長島・梅田・加藤・渡辺半の各書記は、家屋調査のために各受持ち地区に出張する。
中西巡視は種痘ワクチンの受取のために、横浜の県庁へ出張。
午前11時頃、藤田町長に申告して組合の葬式に立ち会うため早退する。
解説
天然痘は死亡率が高く、大変恐れられていた感染症でした。
『大磯町史新聞記事目録』第2集に掲載されている、大正13年2月17日付の記事の見出しによると、平塚町で天然痘が発生とあり、大磯町・近隣町村では、3万人分の種痘を用意したとあります。また、2月19日付の記事では、大磯管内種痘、平塚町火薬廠内で天然痘発生大磯町18~21日、国府村19~22日と、周辺地域で流行の兆しがありました。そのため、前月の2月にも種痘が実施され、大磯町役場ではその対応をしていました。
ところが、この2日前に大磯町内で患者が発生。そこで、中西巡視が新たに種痘を受取りに、県庁へ向かいました。
天然痘については、日本では1956年(昭和31年)の患者を最後に発生は無く、1976年(昭和51年)を最後に定期的な種痘は廃止されました。1980年(昭和55年)、WHOから天然痘世界根絶宣言が出されて以降、患者の発生は無いそうです。
更新日:2024年03月28日