大正13年2月21日

更新日:2024年02月21日

2月21日(木曜日)、午前9時出勤。

今年の定期と臨時種痘苗3,700人分のうち、第1期定期接種220人、臨時接種1,813人、学校分として第2期定期接種285人、臨時接種1,215人、合計3,533人が接種済み。痘苗の残りは350人分。おおよそこのような結果となった。

鉄道省による駅長官有敷地変更の件について、長島主任書記は現地調査に出張した。

午後3時40分、大磯漁業組合員の加藤安五郎・平田市五郎の両人は、西小磯と組合との契約金のうち、大正13年前半期分として関東銀行切手にて金1,750円を支払った。西小磯代表として小見忠滋が確かに受領し、大磯漁業組合御中宛てにて受領書を両人に渡した。

大磯復興会定期日。出席者は奥山・浅沼・二宮・三宅、欠席者は渡辺・鈴木。問題は小学校敷地拡張の件(宅地買入の件)、里道橋梁破壊個所の県補助金の件、大磯防波堤築設の件。後日、町会議員一同を召集して協議会を開催することとし、散会した。

午後7時頃、帰宅。

解説

3日間の種痘接種について、おおよその結果が記されています。種痘苗(ワクチン)3,700人分の内、定期接種の第1期(6か月未満の乳児)220人、第2期(10歳児)285人、臨時接種の一般対象者(小学生以外の50歳まで)1,813人、小学生(10歳児を除く)1,215人、計3,533人、種苗の残りは350人分と記載されています。正しく計算すると、残りは167人分となり、数字にはかなりの誤差がありますので、大まかな結果報告であることがわかります。

漁業に関して、数年前から、大磯漁業組合と西小磯で契約が交わされていました(大正10年2月2日)。大磯漁業組合では、大がかりな漁法でブリを獲るために、西小磯ヘ漁業権の使用料を支払う約束をしています。この日は、大正13年度前半期分の使用料を、加藤・平田組合員2人が支払いにやってきました。西小磯の代表として小見助役が受け取り、領収証を渡しています。半期分の契約金1,750円は、現在の金額に換算するといくらになるのでしょうか。

大正13年の1円は現在の2,589円(三菱UFJ信託銀行調べ)なので、1,750円は現在の 4,530,750円に相当し、1年間の契約金は約906万円となります。かなり高額な金額ですが、当時はそれだけブリが獲れたのでしょう。小切手で支払われたとはいえ、小見助役が慎重に受け取った様子が目に浮かびます。

関東大震災からまだ6か月足らず、定期的に復興委員による会議が開かれていますが、課題、難題が山積みです。一つ一つ取り組んでいくしかありませんが、当時の関係者に対しては頭が下がる思いです。

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