大正13年10月2日
10月2日(木曜日)、午前7時50分出勤。
本日も栢木書記は病欠した。
本日は、毎月裁判所へ提出する届書の索引作成と戸籍謄抄本事務に従事した。
午後6時から、町会議員一同を役場に召集し、船曳場補助金について協議した。協議の結果、明日、助役・三宅・二宮・浅沼の4名と漁業組合の宇留島が、県庁ヘ出張することとし、午後11時頃に散会した。出席者は、渡辺・鈴木・柳田・小見・二宮・三宅・大内・平田・豊田・奥山・出口・脇・浅沼で、欠席者は、郷土・奥野・飯島・梅田だった。会用の茶菓子は無かった。散会後、すぐに帰宅した。
解説
この日の日誌に書かれている「船曳場」とは、船を引き回して網を張る場所のことで、沿岸の漁場を指していると思われます。100年前の当時、大磯で行われていた漁は、船で仕掛けた網を浜で引く地曳網漁と、沖合に定置網を張る鰤敷網漁が主流でした。前年の関東大震災は海岸の地盤の隆起を引き起こしましたが、それは海水浴場だけではなく、漁業にも大きな影響を及ぼしました。
協議会では、漁場の復旧工事のため、県からの補助金を申請することを決めたと思われます。長時間の協議の結果、明日、小見助役と町会議員、実際に漁をする漁業組合の関係者ら5名で県庁へ出張することが決まりました。
更新日:2024年09月05日