大正13年7月9日

更新日:2024年06月12日

7月9日(水曜日)、午前8時出勤。

本日、土木派出所改築のため、大磯町役場を一時借入られた。約1か月の見込みである。 移転のため、土木派出所長から心づけとして蕎麦代金10円を吏員一同ヘ、金5円を使丁ヘ渡された。

本日、加藤収入役は病気のため欠勤した。

午前11時頃、藤田町長は小学校ヘ出頭した。要件は南部教育会主催の研究会に参加することであった。

本日、海水浴実行委員の三宅氏が昼食として松月の弁当を注文した。

二宮と三宅両氏が、貸間組合を町役場ヘ移すことを町長に申入れた。

午後4時30分に退庁した。

解説

土木派出所とは、県土木課の派出所で、郡役所内の一角に置かれていました。

今回は、改築工事が終わるまで、役場内に移るようです。現在では見られなくなりましたが、引越しの際に挨拶として、蕎麦を配ったりふるまったりする風習がありました。100年前のこの頃から、蕎麦そのものを配るのではなく、お金や「蕎麦切手」という商品券に変わっていったそうです。今回、土木派出所長は、「蕎麦代」という名目で、お金を吏員から使丁まで全員に配ったようですが、当時としてもかなりの気遣いと言えるでしょう。

また、「貸間組合」(正しくは貸家貸間組合)の移転話が書かれています。大磯では避暑避寒のために多くの宿泊客が訪れていて、既成の旅館だけでは足りず、町民の間で部屋の一部、または家を貸すことが広く行われていました。当然、組合の組織も活動していたと思われます。

参考

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