大正12年9月28日
助役日誌
9月28日(金曜日)
本日は震災で崩壊した自宅の土蔵の取り壊しと、地震で傾いた自宅の屋起こしをするため、藤田町長の許可を得て欠勤する。
大磯警察署の日誌
9月28日(金曜日)晴
医薬品の配布
前日に警察部から受領した各種医薬品を、警部派出所及び各駐在所に配布し、風邪・頭痛・胃腸病・下痢・切きず・火傷などの患者へ配布するよう指示した。
説諭
平塚町新宿の芸妓屋や飲食店で、密かに売春の仲介をしていた者がいたため、厳重に訓戒する。
官報の到着
9月25日付の官報が届く。震災後、最初の官報。午後3時に到着。
監察官の来署
新任の山内監察官は、座間警部を随行して被害状況を視察するため、午前11時30分に来署される。午後1時、西部方面に向けて出発した。
欠勤巡査の出勤
9月20日以来、病気療養中であった津金巡査は、回復したため、出勤した。
解説
注意
記事をお読みいただく上での注意点は、大正12年9月1日の記事にまとめましたので、ご覧ください。
当時の町役場、警察署には、今ほどたくさんの職員や署員が在籍していたわけではありません。震災後の大磯町の復旧のため、少数では大変苦労したことと思います。少しめどがついたのでしょうか。この日の記述からは、小見助役も被災者であったことがわかります。町長の許しを得て、自宅の修復にあたりました。屋起こしとは傾いた柱を、道具を使って垂直に直すことです。土蔵は崩れてしまったようです。
そして、警察署員の津金巡査は過労で療養していましたが、回復して出勤しました。震災下での過酷さが伝わります。
更新日:2023年09月28日