大正12年8月27日
8月27日(月曜日)
国勢調査員の宮城拝観のため、引率者として午前5時20分、町役場ヘ集合し、総勢25名に同行した。
大磯駅発で新宿に下車、同8時30分から新宿御苑を見学、続いて桜田門を経て坂下門から入り、午前11時半から宮城内を拝観、12時半頃乾門を出たところで解散となった。
小生は高円寺の親戚を訪問し、1泊する。
解説
大正9年(1920)に日本で初めての国勢調査が行われたことは、かつてこのコーナーでも紹介しました(大正9年10月24日)。その時の慰労会なのでしょうか。国勢調査員総勢25名を引率して新宿御苑と宮城(現在の皇居)を拝観しています。新宿御苑の見学に時間をかけたのか、皇居の滞在時間は少ないものでした。小見助役も、月末にちょっとした息抜きとなったのかもしれません。
ちなみに、この国勢調査員の皇居拝観は、全国的に行われたようです(滋賀県の記録による)。
当時の新宿御苑はフランス人に設計を依頼し、明治39年(1906)に完成した皇室の園遊庭園でした。戦後、昭和24年(1949)5月に、一般開放されるようになります。観桜会・観菊会など、見事だそうです。新宿御苑の地は、江戸時代、高遠藩内藤家の江戸下屋敷でしたが、内藤新宿(宿場)となり、明治時代は農事試験場となりました。桜といえば高遠城の濃い桜が、馬場一面に咲いて見事ですね。
更新日:2023年08月27日