大正12年7月9日

更新日:2023年07月09日

7月9日(月曜日)、午前8時30分出勤。

戸籍謄本事務に従事した。

一昨日7日、大磯小学校の敷地不足のため、岩崎家に敷地の譲渡を願って来たことについて、次の通り、町会・町会議員連署の懇願書を同家に提出することになった。そのため、懇願書に対する調印を求めた。

謹啓
かねてより、蜷川博士をもってお願い申し上げております、当町大磯小学校の件につきまして、当町住民の修学子弟の憐れむべき情況を御憫察くださいまして、何分の御処分を仰ぎたくお願い申し上げます。町民教育上の問題でありますので、恐れながら重ねてお願い致します事を御了察ください。
大正12年7月7日  大磯町長・同町会議員連署
男爵 岩崎 久弥 殿

午後3時頃、台町石井外4名、下水の件について町長と面会した。町長は、土木派出所長に会いに出かけられた。

午後4時20分退庁。

解説

100年前の当時、小学校の校舎を使っていた生徒(尋常科・高等科・女子補習科)の総数は1,500人余り。校舎も運動場も手狭になり、十分な広さがあるとは言えない状況でした。町では、解決策として、隣接する土地に別荘を持つ岩崎家(当主・岩崎久弥)に、土地を一部譲渡してもらいたいと交渉することにしました。町に在住し、高名な法学者であり、外交官・大学教授も務めた蜷川新(にながわ・あらた)に、仲介役を頼んでいましたが、岩崎家からは中々了解を得られません。とうとう町会議員連名で、懇願書を送ることになりました。

また、先日5日に記載されていた台町の下水道工事の件について。前回は2人でしたが、今度は4人で町長に面会にやってきました。さすがに町長も動かざるを得なくなったようで、土木派出所長に会いに行きました。この二つの話題はまだ続いていきます。

参考

『大磯町史』3、p.513、332

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