大正12年3月2日
3月2日(金曜日) 、午前8時40分出勤。
藤田町長は、午前9時45分役場へ立ち寄り、東久邇宮若宮殿下が滞在している山下別荘へ奉伺された。
戸籍謄抄本事務に従事。
午後3時頃、中橋巡査が「衛生活動劇」に関し町長に意見を求められた。町長が不在であったため、後日挨拶することになった。
午後4時退庁。
解説
町長が奉伺した東久邇宮の若宮とは、東久邇宮稔彦(なるひこ)と明治天皇の第9皇女・聡子(としこ)夫妻の間に生まれた子どもたちのことと思われます。避寒のため、度々大磯にあった実業家・山下亀三郎の別荘を訪れていたようです。今回は、2月15日から滞在しています。
「衛生活動劇」とは、衛生に関する情報を広めるために行われるものと思われます。日誌の記述だけでは具体的な内容はわかりませんが、100年前の当時、伝染病のまん延等を防ぐために、このような催しは大変重要な啓蒙活動だったのでしょう。警察官である巡査が関与しているのは、当時は警察が衛生に関する業務を管轄していたためです。
更新日:2023年03月02日