大正12年1月17日
1月17日(水曜日)、午前8時30分出勤。
戸籍謄抄本に従事する。
午後3時ごろ、成田山行が帰ってきて町役場に立ち寄り、護摩札を相模漁業株式会社へ奉納した。費用は鰤敷関係のもの3名を除き、藤田町長を加えて議員共16名で、各自負担の事となる。
午後4時退庁する。
解説
昨日、成田山へ大漁祈願に行った議員二人が帰ってきました。成田山でいただいた護摩札は相模漁業株式会社に奉納されました。この費用は、鰤敷関係の3名を除いて、藤田町長を含めた16名で負担することになります。
相模漁業株式会社や鰤敷については、大正10年2月2日の記事で詳しく解説しています。相模漁業株式会社は、鰤敷と呼ばれる定置網漁でブリを漁獲する会社です。護摩札料を負担しなかった鰤敷関係の3名とは、この相模漁業株式会社の役員を務める町会議員だったのではないかと考えられますが、名前の記載が無く不明です。鰤敷をめぐっては、大磯町の漁業組合などと、定置網設置場の使用料の配分をめぐって紛議が起きていました。成田山への大漁祈願における費用負担を通じて、鰤敷関係者(相模漁業株式会社)とそれ以外の人たちの間で関係を築いていたことがわかります。
更新日:2023年01月17日