大正12年6月2日
6月2日(土曜日)、午前8時30分出勤。
12時頃、藤田町長は営業税調査委員改選の交渉のため、吾妻村・国府村役場へ出張された。
小生は、自宅において法要を営むため、藤田町長の出勤を待って早退した。
解説
営業税とは事業者に課せられた国税ですが、100年前の当時、営業税は「営業税調査委員会」を開き、事業者の申告に基づいて税務署が作成した調査書(標準課税額=所得から経費などを控除した額)を調査して課税額を決定しました。委員会を構成する「営業税調査委員」は、税務署管轄地域ごとに、市町村長が営業税の納税者(事業者)の中からまず選挙人を選び、さらに彼等の間での投票によって決定されていました。そのため、町長が役場に出張し、選挙人を選ぶ村長等と交渉をしたと思われます。
この日、小見助役は珍しく早退しています。前年6月に妻を腸チフスで、続いて母親を7月に亡くしていますので、その法要の準備をしたのでしょう。
更新日:2023年06月02日