大正12年6月1日

更新日:2023年06月01日

6月1日(金曜日)、午前9時10分出勤。

戸籍事務に従事した。

午後2時に電燈値下げ交渉委員会、午後4時より土木委員会、午後7時より海水浴場委員会を、町役場庁舎内で開催。いろいろと協議するところがあった。午後7時半頃、私用のため小生は早退した。

解説

この日は、複数の委員会が開かれています。電燈値下げについては、前月5月15日に、この問題について演説会が開かれています。

当時の日本における電力事情は、第一次世界大戦を経て、発展してきた工業の分野で電気が多く利用されるようになり、さらに都市部では生活の中での電化が進み、電気の需要が一気に増えてきていました。電力業界は火力発電所の増設を目指しましたが、燃料となる石炭価格が高騰したため、火力に代わる大規模な水力発電所の建設を進めました。結果、発電量は増加して価格も下がり、電気の利用はさらに拡がりましたが、自由競争だったために電力会社間での価格値下げ競争が激化し、収益が悪化した会社の再編が進むなど、業界は混乱を極めました。収束したのは所管省庁であった逓信省が事態収拾のため、価格の自由競争を改め、電力事業を供給地域独占事業にした1932年(昭和7年)になってからです。 この独占事業体制は長く続き、2016年(平成28年)4月、小売り全面自由化になるまで変わりませんでした。日誌の記述からは、電気が普及していく様子と、それに伴って起きた電燈(電気)価格変動の影響が大磯にも波及していたことがわかります。

土木委員会が開かれたのは、大磯小学校校庭拡張のため、岩崎家と交渉していますのでその協議と思われます。

そろそろ夏が近づいてきました。海水浴場開設の準備も本格的に始まります。

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