大正10年5月9日

更新日:2021年05月09日

5月9日(月曜日)、午前7時40分出勤。

昨日、神奈川県庁において県内の町村長の第2回会同があった。藤田町長が参加された。

午前9時30分、西小磯で定置網測量があり参加。午後2時30分帰庁。長島書記も西小磯へ出張。町長の命令で海面測量に従事し、今日は来庁しなかった。

午後1時から、町会議員改選後、初の町会を役場庁舎内において開会。出席議員全員異議なく、原案に可決した。本日の茶菓金は2円。三引屋に注文。

議事終了後、議員と区長との兼任について可否を諮った。兼任は否となった。

また、町長から鰤敷歩合の大磯町の取り分について交渉があった。明日までに決定し、漁業組合に挨拶することになった。

例によって松月楼にて夕餐。午後8時頃散会。

解説

今日は町会議員が改選してから初めての町会が開かれ、議案が全て可決しました。なかなか決まらなかった鰤(ぶり)敷網の歩合の件も、ここでやっと結論が出るようです(2月2日の記事参照)。また、西小磯の定置網について、漁が休みのこの時期に位置を測量し直しているようですが、町役場の書記が立ち会う必要があったようです。

会議の後、区長と議員の兼任について議論しています。当時の区長は選挙で選ばれ、代表として地区の全てを取り仕切り、役場からの依頼で広報の周知・諸問題の解決・申請手続きなどをするのは勿論のこと、税徴収のまとめ役までも引き受けるという重責でした。そのため、住民の信頼もあつく、区長を務めながら議員に立候補する者もあったようです。議会で可否が求められたというのは、多忙を極める上に弊害もあったということなのでしょう。

また、前日8日に神奈川県庁で第2回町村長会同があり、町長が出席と書かれています。これは、前年(大正9年・1920年)5月に東京で、初めての全国町村長会議が開催され、地方自治精神の普及徹底・振興発展に資するため、全国で町村長会を組織する協定案が可決されたことを受け、同年9月24日、横浜開港記念会館で神奈川県町村長会創立総会が開かれ、23町175村で組織する「神奈川県町村長会」が誕生したことに関連したものです。この日、町長がこの総会に出席したこと(ただし、場所は県庁と記載)が、当日の日誌に記載されています(大正9年9月24日)。

神奈川県町村長会について

神奈川県町村会創立100周年記念誌webbookの44ページに神奈川県町村長会の歴史がまとめられています。

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