大正10年9月3日

9月3日（土曜日）、午前7時50分出勤。

午前10時15分、皇太子殿下の御帰朝を奉祝するため、大磯小学校の運動場に式場を設け、官民合同の奉祝を行った。

町長による開会の辞、郡長の代理として井上視学の祝辞、学校長の祝辞、町長による閉会の辞があって、一同散会した。続いて、学校生徒一同の旗行列があった。

本日は、戸籍謄本事務に従事。

午後0時10分退庁。

午後、町民一同の提灯行列があり、大磯小学校の運動場において盛会を極めた。

3月3日にヨーロッパ歴訪の旅に出発した皇太子（後の昭和天皇）は、この日の午前9時15分、軍艦香取で横浜港に入港しました。横浜駅から特別列車で東京駅に向かい、午前11時15分到着、無事帰国を果たしました。午後からは、東宮御所で祝賀昼食会が開かれました。

当日は、東京までの経路に奉祝の市民が絶えず、夜になっても祝賀行事は続き、品川海岸では花火が打ち上げられ、東京市内でも提灯行列が行われ、花電車も走ったそうです。

大磯でも、8月29日に企画されたとおり、ほぼ同時刻に小学校で式典が開かれ、祝賀行事が行われたことがわかります。ちなみに「旗行列」は、国旗などの小旗を振りながら行列を作って行進すること。「提灯行列」と合わせ、子どもから大人まで昼も夜もお祭りのように盛り上がった一日だったのでしょう。