大正9年3月10日

更新日:2020年03月10日

3月10日(水曜日)、午前7時50分出勤。

今日も引続き営業調査があった。

朝倉校長が退職を申し出て来たので、藤田町長は郡役所に進達した。

午後3時頃、平塚町で小さな火事があった。

4時20分退庁。

帰宅後小学校に行き、誠心修養団員有馬正彦氏の薩摩琵琶の講演を聴講した。これは藤田町長の主催で、郡長・警察署長が後援、20銭の切符を各区長に配布させたので、盛況だった。午後10時散会。

解説

営業調査は今日で3日目。結局調査は11日まで4日間続きました。

朝倉校長は、町長の説得も空しく退職届を提出。規定通り、町長は郡役所に取り次ぎます。

薩摩琵琶の講演を行った誠心修養団は、当時急速に全国に活動を広げて行った「精神の修養」を重要視する社会教育運動の団体「修養団」の支部と思われます。団体についての詳細は、3月1日に記しました。有馬正彦は、当時薩摩琵琶の名手として知られた人物で、各地で公演していたようです。1908年(明治41年)に書かれた石川啄木の日誌にも登場しています。日誌では、この日の項の欄外に、「57.60正彦へ」のメモ書きがあります。公演料として支払った金額、57円60銭かもしれません。

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