大正13年10月7日
10月7日(火曜日)、午前8時出勤。
午前9時頃、祝賀会煙火の件について、警察署にて原田警部補並びに高野澤部長と打合せをした。正式に、願書を提出する予定である。
午前10時頃から、中郡育英学校の件について、岡崎村長の戸倉一造、土澤村長の水島忠貞、国府村長の二宮貞節、金目村長の猪俣松五郎、大根村長の上野豊三並びに大磯町長の藤田文次郎が役場に集合し、種々協議された。会用に三引屋へ50銭分の茶菓子を、松月へ弁当6つを注文した。代金は支払い済みである。
午後4時30分に退庁した。
解説
今日の小見助役は、朝から警察署に煙火(花火)の許可を受けるための打合せに出かけています。これは、大磯駅の落成祝賀会のためのもので、安全を考慮しているのは、現在と同じです。
協議されている育英学校は、元々金目村(現・平塚市金目)にあって、近隣の町村や郡の補助で運営された3年制の実業学校でした。しかし、関東大震災で校舎が倒壊した上に、郡制の廃止も重なり、授業だけは、一時大磯の妙大寺で続けられていたものの、一旦廃校となっていました。大正13(1924)4月、新たに5年制の中学校として「中郡六カ町村組合立育英学校」が創立されました。この集会は、その運営にあたる6つの町村の会議だったと思われます。
なお、茶菓子を注文した三引屋(みつびきや)は、駅から小学校へ向かう線路沿いの道筋に、平成30(2018)年4月まであった和菓子店です。
更新日:2024年09月05日