大正14年5月21日
5月21日(木曜日)、午前7時50分出勤。
本日、歳入金1万円が足りず、補填するために、神奈川県へ借入をするための借用金証の文面を作成した。
本日は加藤収入役が病気欠勤のため、収入事務を扱った。
午後1時から町会を開催し、町長選挙並びに出納検査立会人の決選投票を行った。出席議員は16名だった。投票は、宮代新太郎氏が16票、満場一致で当選した。その他、海水浴場設備水道問題等の申し合わせも行った。会用に茶菓子を用意した。
午後5時1分皇太子殿下御通過のため奉送をした。その後、宮代新太郎氏の自宅を訪問し、当選を告げてお祝いをした。
午後9時頃一旦帰場してから帰宅した。
〈借用金証の内容〉
借用金証
一、金1万円也 中郡大磯町
大正13年度歳入缺陥補填充当のため別紙議決書記載の条件をもって、頭書の金額を確かに借用します。よって後日のため、本証を差入れます。
大正14年5月21日 中郡大磯町長代理助役 小見忠滋(印)
神奈川県知事 清野長太郎殿
解説
町の会計で歳入額が合わないことは、金額の大小にかかわらず重要な問題です。県への借用借入金証の文面は、候文の難しい文章で書かれており、現在では使われていない漢字もあります。「缺陥」は「けっかん」と読み、「缺」は「かける」という意味で、現在の常用漢字では「欠」に当たり、「欠陥」つまり不足分という意味になります。この件はいつ発覚したのでしょうか、町長代理の小見助役にとっては、責任の重い出来事です。
更新日:2025年04月30日