大正14年5月20日
5月20日(火曜日)、午前7時40分出勤。
本日、加藤収入役が出勤したので、前日の収納金を引き渡した。
本日、新聞紙上に、昨19日に徳川頼倫侯が薨去されたとの訃報があった。
長島・中西の両氏が春季清潔法施行のため、山王町方面に出張し、午後2時半に帰場した。
渡辺定書記は、午後1時半に早退した。
午後から小見雇は平塚農工銀行に出張した。
午後4時10分に退庁した。
解説
徳川頼倫は、紀州徳川家15代当主です。紀州徳川家は大磯の高麗に別荘を構えました。14代当主の徳川茂承が、明治29(1896)年に、元々「高麗園」と呼ばれた庭園の土地を購入し、別荘を新築しました。その後家督を継いだ頼倫が、土地と建物を相続しました。この別荘の庭園には、様々な植物が植えられ、園遊会を開いていた記録が確認されています。
参考
水沼淑子『近代日本の別荘建築ー湘南大磯の邸園文化ー』(創元社、2024年)
更新日:2025年04月17日