大正14年3月9日
3月9日(月曜日)、午前8時30分出勤。
本日、川田鐵弥氏から、大磯駅より高麗山に通じる道路の整備などの優先事項があるため、火葬場移転の寄附金は第二の事と回答が、岡田町長に送られてきた。
本日、旭村役場及び同耕地整理組合より、同村長の須藤源次郎、同組合長の臼井茂三郎他2名が来場された。高麗道路の件について、条件つきで、大磯町の要求を受け入れ、緩和の申出をされた。岡田町長に了解を求められ、すぐに退場された。町長より近いうちに、町会に諮り、回答する予定である。
午後4時から岡田町長は小学校で学務委員会があり、児童保護会の件について協議のため出張した。
午後4時50分に退庁した。
旭村が出した条件とは、以下の通りだった。
「高麗堤塘の拡張は、本村が予定している計画であり、変更は体面に関わることで忍び難いことではありますが、隣接する町村に対しての交誼を考慮し、再三慎重に審議した上で、貴町の要求に応じることに致しました。しかしながら、本村は、将来的に拡張したい考えがありますので、その時は土地買収その他に関して相当の御援助を得たく存じます。また旧道接続の地点はなるべく緩和し、坂路の勾配はおおよそ50分の1くらいにして頂き、幅員は有効幅2間半にして頂きたいです。以上、忌憚のない本村の意志を申上げますので、ご理解いただきたく思います。つきましては、工事は本春中に竣工するよう申し添えます。」
解説
火葬場の移転計画に関し、かねてからやり取りをしていた川田鐵弥氏から、町長に回答が届きましたが、まだ何か話が行き違っているようです。
一方、高麗から旭村へ通じる道路の件は、大磯町と旭村で工事に関して意見の相違があり、なかなか進みませんでしたが、旭村側が、工事内容等に条件を付けた上で譲歩することになりました。
また、町長が出席した学務委員会は、町会に置かれた主に小学校の教育事務を担当する常設委員会です。今回は、小学校で開かれたようです。
更新日:2025年01月31日