大正14年8月29日

更新日:2025年08月02日

8月29日(土曜日)、午前7時55分出勤。

本日、鴫立沢近くの田中茂別邸にご滞在中の賀陽宮殿下より、金一万疋(25円)を海水浴場へ、金二千疋(5円)を町長へ下賜された。来る31日の午前9時頃に御帰京される。御返礼として井上製の蒲鉾5本を贈ることにした。

午後0時30分に退庁した。

解説

賀陽宮殿下から海水浴場と町役場に御下賜金がありました。「疋(ひき)」は江戸時代まで使われていたお金の単位ですが、戦前まで皇室関係では使われていました。もともとは布の単位だったのですが、貨幣の単位、動物を数える単位(匹)へと時代とともに変わってきました。また、賀陽宮殿下とは元伊勢神宮祭主の賀陽宮邦憲王の第一子である賀陽宮恒憲王のことと思われます。台町にあった実業家・田中茂の別荘に滞在されていました。

8月3日の記述では山王町の田中別荘とあり、詳細がわかりませんでしたが、ここでは鴫立沢近くと書かれ、台町にあった田中茂の別荘であったことがわかります。8月3日の山王町の記述は誤りだったようです。

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