大正13年4月21日
4月21日(月曜日)、午前8時5分出勤。
加藤収入役が病気欠席のため、収入事務を取扱う。
午後7時より、衛生委員と各区長を役場楼上に召集し、チフス予防接種の件について協議した。町長は出席、小生は欠席した。協議の結果、予防接種を実行することとした。茶菓1円。
午後4時30分退庁。
解説
チフス流行の兆しがあったのでしょうか。予防接種を行うことに決まりました。
チフスはチフス菌に汚染された飲食物を摂取することによって感染する、感染症です。高熱が続き、腸からの出血や腸に穴が開くなどの重症化を引き起こし、100年前の当時は致死率の高い病でした。
現在でも、衛生水準の高くない地域ではまん延しており、南アジア・東南アジア・中南米・アフリカで発生が見られます。日本では、1914(大正3)年に7,000人以上の患者が発生した記録がありますが、その後徐々に減少していきました。大正13年の時点ではまだまだ怖い病気であり、町では予防接種の実施を決めました。
更新日:2024年04月21日