大正13年4月5日
4月5日(土曜日)、午前8時30分出勤。
恩賜金交付額調書を中郡役所へ報告した。死亡24、負傷59、全壊122、半壊217、計2,464円、422人。
本日、定例復興会は出席者が無かったため、延期の通知を出した。
午後5時頃、町長と共に退庁。
解説
「恩賜金」とは「天皇から下賜されたお金」のことですが、関東大震災の時には、摂政であった皇太子(後の昭和天皇)を通して内帑金(ないどきん・お手元金のこと)1,000万円が大正天皇から下賜された、と記録されています。
大磯町の場合、恩賜金の対象となった被災者等は422人。分配した金額の詳細を中郡役所へ報告する必要があったようです。
また、今では考えられない事ですが、この日の定例復興会(会議)は出席者が誰も来なかったために開かれず、改めて通知を出しています。助役日誌では、この他にも議員等が参集せず、町会等が流会した記録が散見されます。当時の町会議員は選挙で選ばれましたが無給のうえ、多くは商店や旅館などの事業主でしたので、本業が優先されると、このような状況になってしまったようです。
更新日:2024年04月05日