大正13年3月11日

更新日:2024年03月11日

3月11日(火曜日)、午前8時30分出勤。

午前9時頃、土木派出所より藤田町長へ、海岸防波堤の件について相談したいことがあるとのこと、至急来所してほしいと電話があった。すぐに、町長に電話で伝えた。

渡辺半七雇書記は病気欠勤届を出した。代わりに臨時の雇が出勤。

藤田町長は午前11時10分に土木派出所ヘ出張し、午後0時5分に町役場へ戻られた。

午後0時30分、加藤収入役は地福寺の葬儀のため早退。収入役領収印を預り、仮事務を取扱った。

毛布の慰問品を各区長に配給した。

駅長が、官舎敷地の売買契約が整ったことについて、挨拶された。

定例の復興会あり。出席者は三宅・渡辺・奥山・二宮・郷土(遅刻)・鈴木(病欠)。町長・助役が参加した。問題は小学校校舎の2号・3号室が出来上がり、引き渡しのための現場調査(町長・助役)の件、防波堤の件(未定)、15日に憲兵が一部撤退することに関する送別会の件(大磯町主催、町有志勧誘)、その他農会事務所の平塚移転の件(反対)等。松月亭の仕出しで夕食を取る。

午後10時半頃、散会、すぐに帰宅した。

本日はブリ7千尾余りの大漁であった。

解説

この日は、関東大震災からの復興に関して、いろいろなことが議論されました。定例の復興会では、町会議員が委員となり、小学校の校舎再建や防波堤の件が議論されています。

防波堤も震災によって被害を受けていたため、整備が必要だったのでしょう。海岸が隆起した漁港・海水浴場の整備については、県・国の補助金を使い、県から技術的な支援を受けて実施しました。そのため、県の土木派出所とは緊密に連絡を取る必要があったと考えられます。

毛布の慰問品に関する記述もあります。諸外国や救援事務局から毛布、ネル腰巻、メリヤスズボン、古着、ミルク等が郡役所を経て贈られているため、この毛布もその一環だったのでしょう。各区長から町民へ配布されたものと考えられます。

まだまだ関東大震災の影響が感じられますが、この年のブリ漁が好調であったことは、本当に町の明るいニュースとして話題になっていたことがわかります。

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