大正13年9月22日
9月22日(月曜日)、午前8時10分出勤。
本日、岩崎邸執事の萩原唯一氏を訪ね、停車場前の土を岩崎家から寄附された場所に運ぶことを申し入れた。承諾をいただいたので、すぐに藤田町長に報告をした。
本日から当町に居住している80歳以上の高齢者の調査に取りかかった。
午後4時20分に退庁した。
解説
来月の新しい駅の落成に向けて、駅近辺は工事の真っ最中です。停車場前の土とは、震災前にあった公園を撤去する際に出る土のことです。震災前の写真を見ると、現在の駅前とはかなり違う景色でした。改札口を出たところは、比較的広いスペースがあり公園もありました。桜や楓の樹木が植えられていて、現在ロータリーのところに建っている「海内第一避暑地」の石碑もあったと思われます。「海内第一避暑地碑」は明治41(1908)年に日本新聞社が避暑地ランキングを募集したところ、大磯が国内第1位に選ばれ、それを記念して建てられた石碑です。題字は、大磯海水浴場の生みの親である松本順の実弟の林董(当時伯爵)によるものです。松本順はその1年前の明治40(1907)年に大磯で亡くなっていますので、もしご存命だったらご満悦に題字を書かれたのではないでしょうか。
更新日:2024年08月16日