大正13年9月3日
9月3日(水曜日)、午前8時10分出勤。
加藤収入役の出勤早々、収入金を渡した。
午後2時から、海水浴場委員を召集し、9月7日の海水浴場閉鎖と海水茶屋材料置場移転改築について協議した。また、水道問題については、9月5日の午後6時頃から協議すると町会議員一同に通知を発して、午後10時半頃に散会した。会用に新杵へ茶菓を1円50銭分、松月へ夕食として上弁当7本とビール3本を注文した。
解説
今日の海水浴場委員会はかなり長時間に及んでいます。まず、海水浴場の閉鎖ですが、100年前の当時は、決められておらず、天候や海水浴客の動静をみて決めていました。この年は9月7日にしたようです。
次に、海水茶屋の材料置き場を新しくする計画を立てていたようですが、容易には進みません。
もう一つの議題である水道問題とは、夏場の水不足への対応と思われます。大磯では震災によって地盤が隆起したことで、日照りが続くと、特に海水浴場周辺の南北下町の井戸は、すぐに枯れてしまったと伝えられています。飲料と生活用水を井戸に頼っていた当時、海水浴客の減少にも繋がる大きな問題でした。なお、大磯では「水道(上水道)」は富裕層の別荘内に私的に設置されている物もありましたが、町内全域には普及していませんでした。この件は、さらに協議をしていくようです。
参考
飯田福信、佐川和裕「新聞記事にみる大磯海水浴場事情」(「大磯町郷土資料館年報-平成21年度-」2009年) (PDFファイル: 6.6MB)
更新日:2024年08月04日