大正13年7月31日
7月31日(木曜日)、午前7時50分出勤。
戸籍謄本事務に従事した。
本日から3日間、陸軍気球隊の演習が行われる。
午前9時頃、李王世子殿下が避暑のため、山下別荘へ入られるので、停車場にて藤田町長は奉迎した。
午後0時30分に退庁した。
解説
7月24日、陸軍は気球隊の演習のため大磯を指定しました。その演習が、今日から3日間実施されます。
韓国から留学し伊藤博文に養育された李王世子(李垠:李王朝最後の皇太子) は、今日から避暑のために山下亀三郎の別荘に滞在します。李垠が伊藤博文の「滄浪閣」を譲り受けたのは、大正10(1921)年のことです。その後、関東大震災で半壊し、新たに別荘を建築しました。完成したのが大正15(1926)年7月であることから、この年の避暑は山下別邸を利用しました。
山下亀三郎の別荘については、どのような建物でいつ建てられたかは不明です。亀三郎は、山下汽船(現・商船三井)の創業者で海運業で成功し、山下財閥を作り上げました。横浜の山下公園は、亀三郎の多額な寄付により開園され山下公園と命名されました。
更新日:2024年06月12日