大正13年7月1日
7月1日(火曜日)、午前8時出勤。
本日から、出勤時間の改正により、午前8時出勤となる。
本日藤田町長は、午前中高来神社において拝日奉告祭に参加された。午前11時頃帰場した。
渡辺書記は、中郡役所の兵事主任会へ出張した。
午後から法要のため早めに退庁した。帰宅途中で海水浴場の更衣所建設場を視察した。
<閣令第4号大正11年閣令第6号に基づく休日及び休課日を除く執務時間改正について>
期間 | 執務時間 | 備考 |
4月1日~7月20日 | 午前8時~午後4時 | 土曜日は正12時まで |
7月21日~8月31日 | 午前8時~正12時 | |
9月1日~10月31日 | 午前8時~午後4時 | 土曜日は正12時まで |
11月1日~3月31日 | 午前9時~午後4時 | 土曜日は正12時まで |
本属長官は、所属職員に対し、7月21日から8月31日までの期間中、事務の繁閑をはかり、20日以内の休課を与えることができる。ただし、事務の都合により当該期間中に休課を与えることができない場合は、他の期間に与えること。休課を得ようとする者は訓令を心得ること。
訓令
一、休課を得るときは、その旨を届出ること。
一、休課中、県内旅行をする場合は、その旅行先及び日数を書き添えて届け出ること。
一、休課中、県外へ旅行する場合は、その事由及び旅行先、期限を記し許可を受けること。
大正13年7月1日 神奈川県知事 清野長太郎
解説
今日は、勤務時間の改正について、詳細に記述しています。
100年前の当時は、季節によって勤務時間が異なっていました。また、切り変わる日にちが、夏は7月11日、秋は9月11日、春は年度始めの4月ではなく3月からとなっていました。明治5(1872)年、明治政府は暦を太陰太陽暦から太陽暦に改暦するという布告をしましたが、古くからの二十四節気に基づく四季の感覚が、変わらずに残っていたように見えます。今回の改定では、春は4月、秋は9月、冬は11月のそれぞれ1日から勤務時間が切り変わること、盛夏の時短勤務は7月21日から8月末までとすることと、それに伴う夏季休暇の申請及び許可方法が、具体的に示されています。
現在は、休暇を取得すれば海外旅行も自由な時代になりましたが、当時は、県外への旅行でも、その詳細を届け出て許可を受ける必要があったことが、訓令からわかります。
更新日:2024年06月12日