大正13年6月21日
6月21日(土曜日)、午前8時20分出勤。
本日は普通事務に従事した。
本日、明石町石谷工務部ヘ火葬窯の見積もりを送った。
本日は国府のお祭りがあり、午後2時に早退した。
解説
小見助役は、国府のお祭りがあるために早退をしました。
国府のお祭りとは、現在は5月5日に行われている「国府祭(こうのまち)」のことです。『新編相模風土記稿』によれば、今から約1300年前に祭事が開始されました。古い歴史を持つ全国的にも珍しい貴重な祭典であり、神奈川県の民俗無形文化財に指定されています。大化の改新以降、現在の大磯町国府に相模国の国府(こくふ、現在の県庁のようなもの)が置かれ、任を受けた国司(現在の県知事のような人)が国を治めていました。当時は、お祭りと政(まつりごと)は同一であり、国司が祭主となって、国の天下泰平・五穀豊穣・家内安全を神々に祈願する祭典を行いました。奈良・平安朝時代には2月4日に行われていましたが、弘安5年(1282)に5月5日に変わり、明治期以降、太陽暦となってから6月21日に、昭和40年代に再び5月5日になりました。6月は田植えの時期で農家が忙しいことから5月5日に変更になったようです。
当時、国府は大磯町ではなく隣の村ですが、大きなお祭りなので小見助役は仕事を早退して見に行ったのでしょう。
更新日:2024年05月23日