大正12年8月8日
8月8日(水曜日)、午前7時40分出勤。
午前8時半頃、大貫弥七君が当役場ヘ立ち寄った。
戸籍謄抄本事務に従事。
藤田町長は警察署へ出かけた。注意事項は10日に大磯小学校で開催する予定であったが、延期となった。
午後3時10分退庁。
中郡県議選挙者名簿50帖を副足氏から受け取った。
去る7日から9日まで、大磯小学校において育英学校主催の画図展覧会がある。
解説
役場にやって来た大貫弥七(おおぬき・やしち)とは、相川村(現・厚木市)出身の政治家で、中郡の郡会議員を務めていた人物です。現在の選挙人名簿にあたる選挙者名簿が届くなど、県会議員選挙に向けての準備が進んでいます。
小学校で行われた「画図展覧会」は、生徒たちによる絵画の展覧会でしょうか。なお、育英学校とは、1902年(明治35年)金目村(現・平塚市)に創立された中郡立中郡農業学校が、1909年(明治42年)に移転して県立農業学校となるのを機に、中郡の有志等によって残った校舎を引き継いで利用する形で創立された、3年制の私立学校です。その後、資金補助をしていた郡が廃止され、さらに関東大震災で校舎が被災したこともあり、1924年(大正13年)3月に廃校となりましたが、新たに近隣町村によって中郡六カ町村組合立育英学校として引き継がれました。
参考
『平塚市史』10通史編近代・現代、2011年、p.425-429
更新日:2023年08月08日