大正12年8月1日

更新日:2023年08月01日

8月1日(水曜日)、午前8時20分出勤。

戸籍を編成。

午前10時、藤田町長は出勤早々大磯小学校へ出張した。午前11時50分帰場された。

午後2時頃から郷土・三宅の2名来場、町役場において双方密談された。藤田町長も参加した。

午後3時30分退庁。

午後7時から、9月の県会議員改選の候補者選定のため、町会議員並びに区長一同を町役場に召集、藤田町長が座長となって協議された。先決問題として、当町より候補者を選定することを、満場一致で可とした。すぐに、選考委員が町長から指名されることになり、議員側から青木・三宅・渡邊の3名、区長側から真壁・堀江・武藤の3名、及び元老として中川氏を加え、合わせて7名の選考委員によって郷土久蔵君を候補者に選考した。

本人に交渉したところ快く承諾され、一同喜び、依頼することとなった。

明日、中郡有志者で選考委員会を開き、公認の候補者を定める予定である。中郡選考委員は、杉崎吾妻村長・小林大野村長・岡崎村長・伊勢原町長・大根村長・東秦野村長・金目村長・元老の中から鈴木易三・石井博・小塩の10名である。

午後11時散会。

解説

100年前の当時、神奈川県会議員の任期は現在と同じ4年、総選挙は9月に行われていました。 助役日誌には、先月7月27日に選挙人名簿が出されて以降、選挙に向けての活動が内密に始まったことが断続的に記述されています。

選挙は郡・市ごとの地区に分かれて行われ、大磯町は中郡地区、定員は4人でした。この日は町会において、初めて大磯町から候補者を出すことが決まり、さらに選考委員会で町会議員の郷土久蔵を推選することが決まりました。

元老として選考委員に名を連ねた人物のうち、中川氏とは、松田町出身、第8代大磯町長・県会議員を経て衆議院議員を務めた中川隣之輔です。また、鈴木易三(すずき・やすぞう)は、元県会議員で(株)武相貯蓄銀行の取締役。「現代致富成功法」という著作もあります。小塩は小塩八郎右衛門。相川村(現・厚木市)出身の銀行家で、こちらも県会議員・衆議院議員を務めた人物です。

地域の有力者等の後押しを受け、明日から選挙に向けて中郡全域で本格的に活動を始めるようです。

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