大正12年7月12日
7月12日(木曜日)、午前8時50分出勤。
午後より平塚女学校の生徒が海水浴へ来た。町長は、海水浴場へ出張された。
本日、腸チフス患者が全快し、帰宅したため、隔離舎を一時的に閉鎖した。長島主任書記が立会った。
戸籍謄本事務に従事。
午後2時頃に有阪女学校校長が来場され、海水浴について、お礼の言葉を述べられた。今後ともよろしくとのこと。
午後7時から大磯小学校において、横浜工業学校の県下巡回弁論部講師の科学思想普及講演会があった。水野教授を講師として、日常生活の能率増進及び修養の能率増進について、堀江助教授を講師として、 最近の南洋について講演があった。私は都合が悪く、聴講しなかった。
解説
平塚女学校の生徒が海水浴に来ています。大磯の海水浴場は、当時、学校の授業が行われる場でもありました。
科学思想普及講演会の主催者である横浜工業学校は、現在の横浜国立大学理工学部の前身の横浜高等工業学校と考えられます。大正9年(1920年)に設立されました。演題として「最近の南洋について」とありますが、この当時、日本は第一次世界大戦の結果、ドイツが統治していた南洋の島々を委任統治することになりました。そのため、このような講演が行われたのかもしれません。
更新日:2023年07月12日