大正12年7月10日
7月10日(火曜日)、午前9時出勤。
戸籍謄本事務に従事した。
駅内の人力車・協同乗合自動車許可を発表した。
西小磯八阪神社例祭のため、午後0時に退庁。
昨日9日、海水浴場出方から、敷金110円を受け取り、すぐに大磯銀行へ預金した。
午後から大雨になったため、八阪神社の祭典は順延となった。
解説
この日は、大磯駅構内での乗合自動車営業の許可が下りました。乗合自動車とは、正確には賃貸乗用自動車(ハイヤー)のことで、営業を始めたのは大磯町人力車営業組合でした。車両数は1台、車種はフォード、運転手は自動車好きの別荘の子息だったそうです。まだまだ人力車が主流で料金も高額、利用者は主に別荘の人たちだったようですが、夏場の海水浴客に対応するため、増車して駅~海水浴場間を往復したとの記録もあります。自動車の普及が進んでいく様子がわかります。
また、海水浴場出方(でかた)とは、海水茶屋の経営者のことで、出店にあたり敷金を町ヘ納めていました。
参考
『大磯町史民俗調査報告書』五大磯の民俗(二)大磯・東町・高麗地区、p.120
更新日:2023年07月10日