大正12年5月7日
5月7日(月曜日)、午前8時30分出勤。
長島・中西・加藤の3名は腸チフス予防注射のため、加藤書記は西小磯へ、長島・中西は鴫立庵へ出張した。
長島書記は、午後から町会書記を務める。
愛国婦人会の切符を記入した。
西小磯西区長が、西小磯分として、本年前半期町県税交付金103円93銭を受け取られた。
午後1時から、町会を開催。午後5時閉会。小会議に移り、北下町下水補助その他の件を協議。新杵に茶菓子を注文。代金2円。
午後6時過ぎ、藤田町長と共に退庁。
解説
夏場のまん延を防ぐためでしょう。腸チフスの予防接種が始まりました。この後、各町内で順次接種が行われていきます。ちなみに、現在腸チフスは抗生物質で治療が可能となったため、発症者と濃厚接触した場合や、流行している国や地域に渡航する場合以外は、積極的なワクチン予防接種は勧められていません。
愛国婦人会は、1901年(明治34年)に創設された婦人団体で、出征軍人や傷病兵の慰問、軍人遺家族の援護などの慈善活動をしました。皇妃を総裁とし、多くの女性皇族・華族等が名誉会員となり、主に富裕層の妻等が会員になりました。切符とは、会費納付の通知書のこと。日誌には他にも同様の記載があり、名簿管理や通知発送を役場がしていたことがわかります。
またこの日は、西小磯区長が県税交付金を受け取りに来ています。100年前の当時は、国税や県税も全て町が徴収してそれぞれに納めていました。納税奨励の観点から自治体に交付金が支払われ、さらに実際の取立を請け負っていた区長等(地区)にも交付金が支払われました。
更新日:2023年05月07日