大正12年4月19日
4月19日(木曜日)、午前8時20分出勤。
昨日、藤田町長は二宮の親戚のもとに行くため午後には早退した。
渡辺書記は昨日、小田原裁判所に行き、今日は午後より私用のため早退した。
戸籍謄抄本に従事した。
午後4時20分、退庁する。
午後より平塚劇場にて、尼港遭難活動写真があった。在郷軍人より1枚20銭の観覧券200枚の分与が、大磯町へあった。
解説
尼港遭難とは、大正9年3月から5月にかけて、ロシアのアムール川河口にある町、ニコラエフスク(尼港)で発生した大規模な住民虐殺事件を指します。活動写真とは、現在の映画にあたります。つまり、尼港事件の映画を平塚劇場で公開したということになります。当時はテレビもインターネットもありません。世界で起きた出来事の映像は、このような機会でしか見ることができませんでしたが、当時の人々にとっては、このような重大事件の映像を見られること自体、画期的であったとも言えます。
更新日:2023年04月19日