大正12年1月26日
1月26日(金曜日)、午前8時50分出勤。
渡辺書記は欠席。
午前10時頃、三浦郡浦賀町から町会議員石渡秀吉・青木唯治・宮井政吉・書記原正光氏の4名が原慶次郎氏の案内で突然、当町役場を来訪される。家屋税の標準について質問を受ける。午前11時半頃、帰られた。
続いて三浦郡長井村の村会議員3名、嘉山仙太郎・高橋萬蔵・原田耕策、収入役中川峰吉、書記長谷川匡二の5名が役場に見える。納税成績について視察された後、昼食を共にする。午後2時半頃、帰られた。茶菓子代として1円50銭、新杵に注文。
本日藤田町長が欠席のため、助役が対応。いろいろと説明した。
午後4時10分退庁。
解説
昨日の大雪の影響もなく、三浦郡の浦賀町と長井村の関係者が大磯町役場を視察されました。質問は、家屋税の標準割と納税成績に関する件でした。当時は工業化・都市化で住民の転出・転入が増加し、税の徴収が大変でした。家屋税の標準とは土地の「賃貸価格」の事と思われます。明治43年(1910)郡村宅地と市街宅地を宅地に一本化して宅地の地価算定基準を「賃貸価格」に統一し、大正15年(1926)から昭和2年(1927)まで土地の「賃貸価格調査」が実施され、すべての土地に「賃貸価格」が付けられました。昭和6年(1931)「地租条例」廃止、「地租法」が制定され「賃貸価格」が地租の課税標準となります。
更新日:2023年01月26日