大正11年11月6日
11月6日(月曜日)、午前8時50分出勤。
東京浅草蔵前の煙草専売局職工2,600人が、大磯町へ団体で来た。 村井別荘内において、表彰式があったため。盛会を極めた。
戸籍謄抄本事務に従事した。
午後4時10分退庁。
解説
政府により煙草専売法が成立したのは、1904年(明治37年)のことでした。全国に、大蔵省が管轄する葉煙草(はたばこ)専売所が設置され、後にたばこ製造を管轄する煙草専売局がつくられました。
この日、町を団体で訪れたのは、東京浅草にあった東京専売支局で働いていた職工等と思われます。また、祝賀行事が行われた村井別荘は、専売となる以前に煙草の製造販売をしていて財をなした実業家・村井吉兵衛が、東町に所有していた広大な別荘のことです。煙草が専売となって、廃業を余儀なくされた村井でしたが、政府から多額の補償金を受け取り、その後銀行を始めとして多くの事業を手掛けて財閥となっていきました。
村井吉兵衛については、昨年特別展を行った「たばこと塩の博物館」のHPをご紹介しますのでご覧ください。
更新日:2022年11月06日