大正11年8月7日
8月7日(月曜日)、午前7時50分出勤。
午後4時47分、王世子垠殿下が西小磯梨本宮家ヘ到着。2泊ご滞在される。
午後から渡辺書記は私用のため早退した。そのため、戸籍事務を取り扱った。
本日、海水浴客が行方不明となっていたが、夕方に遺体となって北浜海岸へ漂着した。
午後4時半退庁。
解説
「王世子垠殿下」とは、朝鮮皇太子の李垠(イ・ウン)のこと。皇太子妃の方子(まさこ)は梨本宮家の長女ですので、大磯の梨本宮家別邸に避暑に訪れたようです。
海水浴場で、残念な事故が発生してしまいました。詳細は書かれていませんが、これを受けて何らかの協議がされたようです。この後、9日にその結果と思われる事柄が公表されます。
なお、この日は当時としては特別に暑かったようで、日誌の余白に「気温九十度以上」との記載があります。これは、華氏での表記で、摂氏では約32℃になります。
更新日:2022年08月07日