大正11年7月11日
7月11日(火曜日)、午前7時50分出勤。
午前9時半ごろ、藤田町長は村井別邸に滞在中の東久邇宮妃殿下と三王子のご機嫌伺いのため、出張した。
午後1時より、西小磯蔬菜栽培者代表として、柳田長策外数名が町役場に参集した。郡農会より石井博と菅沼保造の両氏が担当として、同業組合設置について説明がある予定。中郡農会副会頭の石井博氏と菅沼城島村長と草柳北秦野村長が来場した。西小磯蔬菜栽培者総代8名に対していろいろと説明を行っていたが、要領を得ず散会となった。茶菓のもてなしがあった。
午後3時半ごろ退庁する。
解説
東久邇宮妃やその王子らが滞在した村井別邸とは、たばこ王と称される村井吉兵衛の別荘のことです。また、東久邇宮妃とは東久邇宮聡子、三王子とは盛厚(もりひろ)、師正(もろまさ)、彰常(あきつね)の三人を指します。
午後には、西小磯の蔬菜(そさい)生産者らと中郡農会副会頭の石井博らの間で、同業組合の設置に関する会議が行われました。城島村(現在の平塚市)や北秦野村の村長も参加していることから、郡全体の蔬菜生産者の同業組合を作ろうとしていたと考えられます。しかし、石井博らの説明は要領を得なかったようで、西小磯の蔬菜生産者らの賛成を得られないまま物別れになりました。ちなみに、蔬菜とは野菜のことです。
参考
少し前の記事ですが、大磯町郷土資料館ブログで村井吉兵衛について書いています。
更新日:2022年07月11日