大正11年1月9日
1月9日(月曜日)、午前8時30分出勤。
今日は戸籍事務で多忙だった。
本日、先に挙行された特別大演習にて、愛国婦人会による麦湯の接待を行ったところ、その筋より5円が補給されたので今日受け取った。5円は軍人分会に渡した。
今日は戸籍事務に忙殺された。
午後4時10分退庁する。
解説
よほど戸籍事務が忙しかったのでしょう、一度目は多忙して、二度目には忙殺されています。心が亡ぶ(ほろぶ)と書いて忙しいとはよく言いますが…。同じことが二度書かれるとは、余程です。
特別大演習とは、大正10年11月17日から20日かけて行われた軍事演習です。大磯町も演習に伴う行軍に対応するため、11月14日には湯呑所を設営しています。日誌から、湯呑所で愛国婦人会により麦湯が提供されたことがわかります。そして、関係者から5円の支払いがあったそうです。「その筋」は、おそらく軍隊関係者だと考えられます。この5円は、在郷軍人会の分会に渡されました。
更新日:2022年01月09日